講演1岡谷 貴之 教授(AI研究部門)
深層学習による画像理解の可能性、
並びに推論の自己診断について
われわれの研究グループでは、深層学習の画像認識・理解への応用に関する研究を行なっている。本発表では、今年度得られた2つの研究成果を紹介する。1つは画像理解のための深層ニューラルネットワーク(DNN)のアーキテクチャ設計と、その視覚対話問題(visual dialog)への応用である。パラメータ数の少ないコンパクトなDNNで、史上最高レベルの性能を達成可能なことを示した。もう1つはニューラルネットワークによる推論の自己診断方法に関する研究である。DNNの実世界応用では、推論結果の信頼性が重要である。推論の正しさを自己評価する方法に関するいくつかの研究をまとめて紹介する。
略歴:岡谷 貴之 Takayuki Okatani
専門は、コンピュータビジョン・知覚情報処理・知能ロボティクス。1994年東京大学工学部計数工学科卒業、1996年東京大学大学院工学系研究科計数工学修士課程修了、1999年同博士課程修了。博士(工学)。1999年東北大学大学院情報科学研究科助手、その後助教授を経て、2013年より教授。2016年10月理化学研究所革新知能統合研究センターチームリーダーを兼務。International Journal of Computer Vision誌Editorial Board Member、国際会議ICCV、ICPR、IJCAI、AAAI等のArea Chair等。