招待講演1
大関 洋平
東京大学 大学院総合文化研究科 准教授
人間らしい言語処理モデルの開発

自然言語処理は、機械学習やビッグデータの恩恵を受けて急速に発展しており、特に大規模言語モデルは、言語生成、質問応答、文章要約、機械翻訳など様々な下流タスクで高い性能を叩き出している。しかしながら、大規模言語モデルには、その高い性能の代償として、解釈性、頑健性、効率性など様々な問題が存在する。そこで、本講演では、それらの問題を解決する方法の一つとして、人間らしい言語処理モデルの開発を概観する。具体的には、認知科学において、人間は所謂ホワイトボックスであり解釈することができる(解釈性)、人間は未知の環境へ頑健に汎化することができる(頑健性)、人間は少量のデータから効率的に学習することができる(効率性)という知見が示唆されていることから、言語処理モデルを人間らしくすることで、大規模言語モデルの問題を解決できることを示す。
略歴:大関 洋平 OSEKI Yohei
2010-2012 北海道大学 大学院国際広報メディア・観光学院 M.A.
2012-2013 マサチューセッツ大学 言語学科 訪問学生
2013-2018 ニューヨーク大学 言語学科 Ph.D.
2018-2020 早稲田大学 理工学術院 助教
2018-2025 理化学研究所 革新知能統合研究センター 客員研究員
2020-2024 東京大学 大学院総合文化研究科 講師
2024-現在 東京大学 大学院総合文化研究科 准教授